ブリティッシュ・ブルドックスとして活躍したダイナマイト・キッドとデイビー・ボーイ・スミス。そのスミスの息子であるハリー・スミス(デイビー・ボーイ・スミス・ジュニア)は幼少時代から新生UWFやリングス、四天王時代の全日本プロレスに興味を持ち、そのレスリングスタイルに多くその影響が垣間見られる。かつては高円寺にあるUWFスネークピット・ジャパン(現在、C.A.C.C.スネークピットジャパン、宮戸優光代表)でコーチを務めていたビル・ロビンソンを訪問し伝統のキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのレスリング技術を学び、その探求心は現在もプロレスのリングに上がりながら、時には佐山聡、藤原喜明の基を尋ね練習を重ねながら常に自らのレスリング技術のレベルアップを図る。
今般も9月28日、東京からわざわざ京都にあるライレージム京都の松並コーチの基でイギリス・ランカシャー地方伝統のレスリング、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの技術を学ぼうと日帰りでやってきたのだ。一人で新幹線に乗り込み京都駅で在来線に乗り換え山科までくるその探求心には感心する。3時から練習生たちと基礎的な練習から実技練習、そして立ち技だけ寝技だけの制限付きスパーリングから次々と相手を替えての2分から3分程度の実戦スパーリングを開始、それを見つめる松並コーチの的確なアドバイスや実践コーチに耳を傾け従い、時には松並コーチとの実戦スパーリングも行い時間の経過も忘れ取り組む姿に彼のやる気を感じた。終わった時、マットは汗で濡れ、擦り剥く怪我による血が付くほどだった。
気が付くと時計の針が8時を回っているのに気づき、汗でぬれたTシャツを着替える暇もなく道場を後にして新幹線に飛び乗った。
WWEには馴染めず、その活躍の場を日本と決めハリーは新日本プロレスを選択し鈴木みのるの基でランス・アーチャーとのK.E.Sを結成して活躍。IWGPタッグ王者にはなったがシングル王者にはなれなかった。その後アントニオ猪木が主催するIGFのリングにも上がったが中途半端な活躍でおわる。そして満を期して今年からあの子供の頃から憧れの全日本プロレスに上がるやその巨体とレスリングテクニックが一躍注目され、この11月14日に北海道札幌のホテルエミシア札幌での王者・青柳優馬との対戦が確実になったと聞く。ここは是非、父デイビー・ボーイ・スミスも果たせなかった3冠王者になり飛躍して欲しいものだ。
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