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1970(昭和45)年
アイアンクローシリーズ

1970年2月、日本のリングに来襲したフリッツ・フォン・エリック――その存在は、ただTシャツ一枚をまとい、無言で右手をかざすだけで観客を総立ちにさせるほどの圧倒的なオーラを放っていた。

この来日では、長男のケビン・フォン・エリックを“社会勉強”の名のもとに帯同。3月3日の愛知県体育館、1万2千人を飲み込んだ超満員の大観衆。
インター・ナショナル選手権試合――王者ジャイアント馬場に、エリックが挑む頂上決戦である。

 

“鉄の爪”の戦慄と恐怖、それに立ち向かう馬場、緊張感あふれる戦いの最中、ケビンが父を援護するために介入。試合は混乱の渦に包まれ、観客の興奮は頂点に達した。お互い一歩も譲らない激闘は、1-1のあと両者リングアウトで辛くも馬場が王座防衛を果たした。

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さらに、3月7日のインター・タッグ戦、馬場、猪木の王者組に、エリック、イヤウケア組が挑む一戦も衝撃の試合となった。


アントニオ猪木が、エリックから当時では珍しい決り手「逆十字固め」でギブアップを奪取。絶対的な威圧感を誇った強豪からの一本勝ちは、猪木の実力と存在感を改めて世に知らしめる決定的な瞬間となった。

一方エリックは、試合後にパートナーであるイヤウケアに制裁を加えるという衝撃の行動に出る。勝敗を超えた激情が、リング上に生々しく刻み込まれた瞬間だった。

圧倒的カリスマ、そして制御不能の狂気、またしてもエリックが強烈な“爪痕”を残したシリーズとなった。

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