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◆ルールの歴史

古くからイギリス各地で様々なスタイル、ルールのレスリングが行われていました。どのスタイルも1800年代中頃までは、相手と組み合った状態から試合開始というのが一般的だったようです。また、寝技の攻防は行わず、相手の両肩、臀部、または体の一部が地面についた時点で決着というのが主流だったと考えられています。

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しかし、ランカシャー・レスリングは、他のスタイルと異なる独自の発展を遂げます。現代格闘技のほとんどがそうであるように、相手と離れた状態で試合が始まるようになり、これがキャッチ・アズ・キャッチ・キャン・スタイルとも呼ばれるようになります。また、足への攻撃が禁止されるグレコローマンスタイルなどとは異なり、全身どこを攻撃してもよいというルールになり、寝技の攻防も許されるようになりました。

当時は、現代のような安全なマットの上ではなく、酒場の店先や、広場の芝生の上で行われていました。また、テレビやビデオのない時代に細かい寝技の攻防をしても、大勢の観衆には伝わらず、短時間の試合が好まれていたのだと思います。こういったことを考えれば、倒れた時点でポイント追加や決着というのは妥当なルールであったのではないでしょうか。

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イギリスにおけるキャッチ・アズ・キャッチ・キャン最盛期の1800年代後半~1900年代初期、ランカシャー地方では、試合はサッカー/ラグビー場などの屋外で、週末の昼間に行われていました。レスラーのマネージャー同士とプロモーターが事前に話し合い、賭け金、契約体重、体重差などによるハンデを考慮したルールの変更など、試合ごとに詳細を決定していました。試合時間は、60分~無制限3本勝負が主流だったようです。判定決着を採用しないことも多く、一時間以上戦うことも珍しくはありませんでした。

◆ 現在のルール

現在、ウィガンのSnakepit主催試合では、現代においては変更を余儀なくされた部分もありますが、伝統ルールに則り行われています。 ライレージム京都でも、このルールのもとで練習を行っています。多くの総合格闘技のジムなどで行われているグラップリングやキャッチ・レスリングと呼ばれるものや、オリンピック・レスリングとは異なりますので、 キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの主なルールを紹介します。

○ 決着方法

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1. ピンフォール

相手の背中をマットにつけて、相手の両肩[又は肩甲骨]を同時にマットに2秒間つける。

◯禁止技

  • パンチ、蹴りなどの打撃技

  • 噛みつき、目への攻撃など非スポーツマン的行為

  • ダイレクト・チョーク(喉を直接絞める技)

2. サブミッション

有効とされる関節技、絞め技で、相手を降参させる。

◯試合時間

  • 20分1本勝負

  • 膠着によるブレークなし

  • 判定決着を採用する場合、ポイント制ではなく、より相手をコントロールしていた方が勝ちとなる
     

※上記項目は大会運営上の都合等で変更になることがある

○ その他

技を仕掛ける際に、前腕や上腕などで相手を打つ攻撃は有効

肘、膝など鋭利な部位を相手に押し付ける攻撃は有効

決着がピンフォールかギブアップ(サブミッション)、チョーク禁止などのキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのルールが、現在のプロレスに引き継がれていることがわかります。
また、危険度の高いサブミッションなどを禁止にして、ポイント制にすると、オリンピックのフリースタイル・レスリングや、アメリカの大学で人気のフォークスタイル・レスリングに近いものとなります。

ルール

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