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1973(昭和48)年
世界最強タッグ戦
1973年10月14日、東京・蔵前国技館――新日本プロレスにとって歴史的転機となる一戦が行われた。
日本プロレスを離れた坂口征二が合流し、アントニオ猪木との“黄金コンビ”を結成。以後、両者は数々のメインを務めたが、対戦相手の格という点では物足りなさも否めなかった。
しかしこの日、その評価を一変させる舞台が用意される。
相手は“鉄人”ルー・テーズと、“プロレスの神様”カール・ゴッチという、まさに世界最高峰の名手コンビ。勝者こそが「世界最強タッグ」を名乗るにふさわしい、格と威信を懸けた頂上決戦であった。
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試合は90分3本勝負。重厚かつ緻密な攻防の連続は、レスリングの奥深さと芸術性を余すことなく体現するものだった。
名人同士が繰り出す一手一手に観衆は息を呑み、会場は独特の緊張感に包まれる。
そして激闘の末、猪木&坂口組が2-1で勝利。
新日本の看板コンビが、世界最高峰を相手に実力で頂点を証明した瞬間であった。


この時期、プロレス界は大きなうねりの中にあった。わずか数日前、同じ蔵前では全日本プロレスが大型興行を打っていた。
ジャイアント馬場が、期待の大型新人の鶴田友美(のちのジャンボ鶴田)を従え、ザ・ファンクスの持つインター・タッグ戦に挑戦。さらに、ザ・デストロイヤー対ミル・マスカラスのUS選手権、東京オリンピック柔道金メダリストのアントン・ヘーシンクのプロレス入り表明。
いわば“興行戦争”の真っただ中で生まれた「世界最強タッグ戦」は、停滞しかけていたプロレス人気を再び押し上げる起爆剤となる。
猪木&坂口の勝利は、新日本プロレスが世界と互角に渡り合えることを証明し、団体の未来を切り開いた象徴的な出来事であった。
この日こそ、新日本プロレスが真の意味で“夜明け”を迎えた瞬間だったのである。

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