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1975(昭和50)年
ゴールデンファイトシリーズ
1975年6月26日、東京・蔵前国技館――NWF世界ヘビー級王座を巡るアントニオ猪木とタイガー・ジェット・シンの血で血を洗う因縁の対決が、新たな形を見せる。
発端は同年3月13日、広島。猪木はシンに敗れ、第15代王座を明け渡したことである。以降、東京、さらにはモントリオールと舞台を変えながら奪回を狙うも、いずれもシンが防衛。狂気のヒールとして知られたシンは、王者としても揺るがぬ強さを見せつけていた。

そして迎えた3度目の挑戦が、この蔵前決戦である。
試合は三本勝負。1本目、猪木が回転足折り固めで先取し、会場の空気を一気に引き寄せる。
だが2本目に、予想外の展開が待っていた。シンがアルゼンチン・バックブリーカーで猪木からギブアップを奪取。これまでの凶器主体のファイトとは一線を画す、純然たるレスリング技術で一本を取り返す。
そして運命の3本目。両者の意地がぶつかる激闘の末、猪木が渾身のバックドロップから体固めで勝利。ついに王座は猪木の腰へと戻った。
この日のシンが終始クリーンファイトを貫いたことに、観客は衝撃を受けた。荒々しいヒールのイメージを覆し、ストロングスタイルでも一流であることを証明したその姿は、敗者でありながら強烈な印象を残した。
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