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1979(昭和54)年
格闘技世界選手権試合
アントニオ猪木と、カナダ出身の空手家キム・クロケードによる一戦は、京都初の本格的な異種格闘技戦として大きな注目を集めた。
当時、新日本プロレスは「プロレス最強」を掲げ、異種格闘技戦を積極的に展開していた。1976年のモハメド・アリとの対戦を皮切りに、猪木は柔道家や空手家など様々な格闘家と戦い続け、プロレスの可能性を押し広げていた。そんな流れの中で実現したのが、この京都決戦である。
クロケードは警察官であり、空手の有段者として紹介された打撃のスペシャリスト。危険な蹴りとパンチを武器に、未知の強敵としてリングに上がった。試合は3分10ラウンド制、KOまたはギブアップのみで決着という特別ルールで行われ、「WWWF格闘技世界ヘビー級選手権」が懸けられた。大観衆が見守る中、会場は期待と緊張に包まれる。
しかし、いざゴングが鳴ると、その期待は大きく裏切られる。
クロケードは鋭い打撃で先手を取るかに見えたが――その動きは迫力も緊張感もないものであった。余裕の猪木は、第1、第2ラウンドと相手を軽くいなしていく。そして第3ラウンド、猪木は「もう付き合っていられない」とばかりに、強烈なブレーンバスターから間髪入れず延髄斬り、さらにギロチンドロップを叩き込み、3ラウンド3分58秒で、クロケードをあっさりとマットに沈めた。
同年2月に大阪でのミスターX戦に続き、“とんだ一杯食わせ者”を相手にした異種格闘技戦であった。
「関西での異種格闘技戦は凡戦に終わる」――そんな不名誉なジンクスが生まれ、5年後の大阪でのアノアロ・アティサノエ戦においても悪夢は再び繰り返されてしまうのである。
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