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世紀の一戦

​~歓声と静寂~

「15ラウンド、そして伝説へ」

ついに15ラウンド開始のゴングが鳴り響く。

両者は最後の力を振り絞り、一歩も譲らぬまま運命の3分間を戦い抜いた。そして終了のゴング。激闘を終えたアントニオ猪木とモハメド・アリは静かに抱き合い、その健闘を称え合った。

しかし、日本武道館を埋め尽くした観客は、目の前で繰り広げられた前例のない戦いを、まだ理解しきれずにいた。

長い集計の末、場内に響いた裁定は「ドロー」。

猪木はアリを倒せず、アリも猪木を倒せなかった。しかし、それは決して「何も起こらなかった試合」ではない。世界最強のボクサーとプロレスラーが、互いのすべてを懸けて戦い抜いた15ラウンドだった。

この一戦は当時「世紀の凡戦」と酷評されるが、時を経て「総合格闘技の原点」「時代を50年先取りした歴史的一戦」と再評価されるなど、世界中で賛否を巻き起こした。勝者は決まらなかったが、この試合の価値をめぐる議論は、今なお終わることがない。

そして1995年、北朝鮮で二人は再会を果たす。さらに1998年4月4日、東京ドームで行われた猪木引退試合には、アリが自ら駆けつけた。

1976年6月26日、日本武道館で始まった二人の物語は、22年の時を経て再び交差し、静かな感動とともにその歴史に新たな一ページを刻んだ。

あの日、日本武道館で生まれた熱気と緊張感は、半世紀を経た今もなお、世界格闘技史に刻まれ続けている。

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